今日は、仙台のアパートを売却するための打ち合わせに日帰りで仙台へ。そこで聞いた話は、ちょっと残念なものだった。
まず、仙台では中古マンションを持つ楽しみがあまり無い事。基本的に、新築の分譲価格が安いので、中古物件に付加価値をつけられない。もちろん高い新築物件も多いけど、それは中古価格がどん底の時には単なるムダ。だって買った瞬間にデベロッパーが2−3割持ってくんだから。例えば、仙台のど真ん中に40坪1億超なんていうのも、買った瞬間に7-8000万、10年後の資産価値は多分5000万切るんだから本当にムダ。なので、必然的に選択肢は中古マンションになる。
で、中古の20−30坪のマンションをスケルトンから好きな内装にしようとすると、最低でも1000万はかかる。材料を吟味すれば、簡単に2−3000万ぐらいになる。この金額は、売買価格が5000万前後の物件であれば、なんとか吸収可能な金額だ。例えば4000万の中古マンションの改装に1000万かけても5000万。これは、東京ならアリだ。
でも、仙台で、新築が3000万だとしたら、そんな金額は吸収出来ない。殆どの場合、内装がどんなに豪華でも、中古の不動産価格は、立地と広さ、そして築年数で決まる。新築の相場が3000万ならば、ヒトが中古物件に出すのは半額の1500万以下。当然リノベの1000万は回収出来ずに捨て金になる。
もう一つは、投資物件の動きの少なさ。仙台では、住宅への投資は、20%前後の利回りが出ないのなら、みんな手を出さないのだそうだ。それは、銀行が住宅投資への資金を貸したがらないということもあるけれど、メインテナンスのコストを吸収するには、二ケタの利回りが出る物件じゃないとダメなんだそうだ。これは、上のリノベのコストと同じしくみ。
例えばアパートのメインテナンスに年50万かかるとする。もし、そのアパートの価格が5000万で利回りが7%なら年350万入る。そこから50万引いても6%の確定利回りを確保出来る。じゃあ、マンション購入価格が1000万で利回り7%の物件だとしたら、70万の家賃収入。そこから50万引くと、20万となって利回りが2%に下がる。もし、手取りの利回りを6%確保したいなら、11%の利回りを確保しないと無理になる。つまり、売買価格と家賃が低い地域では、投資自体が成立しないことになる。
結局、税金とリノベのコストが地域であまり変わらないのであれば、そのコストはどこかで吸収されなければいけなくて、それには一定額以上の住宅価格が維持されていなければ成立しない。おそらく、それが出来るのは日本では東京と大阪の一部だけなのじゃないかと思った。特に仙台で固定資産税が高いのは致命的。僕が払っていた仙台の固定資産税は、マンションの査定価格の1%ですが、赤坂のマンションは0.3%。地価の安い所では、この数万円の差が利回りに結構効いてくる。
いずれにしても、地方都市の場合は、土地を買うか、築浅の中古マンションを借りるほうが良いという事になるのだろう。まあ、不動産の値上がりが期待出来ないなら、土地を買う事自体も、実はあまり旨味がなくて、結局賃貸が一番賢いのではないかと思ったりする。でも、そこにはデザインが無い凡庸な物件しか無い。つまり、デザインに対するマーケットバリューが無い事が最大の問題。
いままで地方都市の一般住居にデザインが成立しないのはなぜなのかと思っていたけど、実はデザインを取り入れる事が構造的に難しいってことがわかった。もちろんキャッシュを持っているお金持ちは何でも出来るけど、一般のヒトが自宅を好きなように改装して楽しむことが出来るのは、都会のしかもごく一部しかない。逆に、仙台のようなデザインが構造的に回らない地方都市では、デザインを求めるヒトが育たない悪いサイクルに陥っている。色んな意味でデザインが捨て金にならないような、デザインをappreciate出来る国になると良いなと思う。
コメント
You must be logged in to post a comment.
