12月 04

昼ご飯を広尾で食べて、テクテク歩いて帰る途中、前から気になっていたSUS Galleryに寄ってみて驚いた。そこに並んでいたカップは、実に美しく何にも似ていない。しかもまぎれもなく日本。

それらは、最先端のチタン加工技術を使って作った薄いうつわを2重に接合し、中間に真空層を作る事で魔法瓶と同じような高い断熱性を持たせているという。しかも二重のカップを溶接したカップの縁はうすはりのように薄い。それだけでも凄いのに、さらにその制作過程に生じるチタンの再結晶化で生まれる素晴らしい自然の文様を活かし、その表面の皮膜の厚みまでコントロールして様々な色味を生み出している。その結果、金属でありながら、まったく金属らしくない暖かみがある。この色の出し方は、シャボン玉の色の出方と同じ理屈なのだそうだ。手で触れると皮脂の厚みで、色が変わる。

SUS galleryのtitanium製品は本当に美しい。特にmagentaは、どれも一つとして同じ色味を見せない。全てがまったく違う文様と、それゆえに異なった色を纏っている。僕が買ったピースは、外側がまるで土を薄く焼き締めたようなテクスチャで、内側はピンクゴールドのように渋く輝いている。本当に日本人の感性がなければこれは作れないと思う。見ただけで、これがチタンで出来ていると分かるヒトはいないだろう。そして、手に取ってその軽さに驚愕するだろう。

現代の最先端の技術を用いながら、何百年もの間大事にされ続けてきたもののような、本当に味わい深いうつわ。久しぶりに心が震えた。もしかしたら、こんなに心が震えたのは、初めてスパーセブンを買った帰り道以来かもしれない。

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